
バックナンバー 一覧
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生まれる前にゲノムを解析
胎児のDNA配列を,母親の血液と父親の唾液から正確に予測する検査法が試みられ,成功した。現在,胎児の遺伝性疾患を予測するには,胎児の周りにある羊水を針で採取する検査が行われる。検査をより簡便にすべく,妊婦の血液に…
Jun. 29, 2012
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神経移行術で手が動くように
神経移行術と呼ばれる手術により,脊髄損傷による四肢麻痺の患者が指を動かせるようになったことが報告された。執刀医は損傷を受けた第6,7頸椎の部分を手術する代わりに,機能しなくなった上腕の神経と並行に走る,機能してい…
Jun. 22, 2012
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果糖で頭が悪くなる?
果糖を多く摂り続けると,脳の学習や記憶力が低下することがラットの実験で示された。こうした悪影響はオメガ3脂肪酸の摂取で抑えられるという。果糖は異性化糖という液状甘味料として加工食品に多く含まれ,米国人の年間消費量…
Jun. 15, 2012
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幹細胞で癌治療の副作用軽減
患者自身の幹細胞を使い,脳腫瘍に対する化学療法の副作用を軽減できるかもしれない。膠芽腫(脳腫瘍の一種)の化学療法では骨髄への副作用が治療の妨げとなる。また,化学療法に耐性の患者が半数以上を占めるが,これらの患者は…
Jun. 08, 2012
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おなかの脂肪を唐辛子で撃退
唐辛子の成分,カプサイシンを使った手術法が,動物実験で内臓脂肪の減少に効果を示した。この実験ではラットの迷走神経(腸と脳の間で情報を伝達する神経)に対し,2種類の手術--これを除去する手術(迷走神経切断)と,カプ…
Jun. 01, 2012
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遺伝子導入で瘢痕心筋を再生
心筋梗塞により拍動しなくなった心筋細胞を,機能する細胞に変換する方法が,動物実験で成功した。虚血状態になり栄養が届かなくなった心筋細胞は,通常,元の機能を回復することなく瘢痕組織になる。実験では,心筋梗塞を起こし…
May. 25, 2012
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ビタミンCで血圧が低下?
大量のビタミンCの摂取で血圧が低下するようだ。ジョンズ・ホプキンズ大学の研究者らが,ビタミンCとプラセボの血圧低下作用を比較した無作為化対照試験29件を分析した結果,1日の推奨摂取量の約5倍,500 mgの摂取が…
May. 18, 2012
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体内時計調節で多彩な効果
体内時計の調節により,肥満,糖尿病,高コレステロール,睡眠障害といったさまざまな問題を改善する可能性のある2つの化合物が合成された。これらの化合物は,生物の活動と代謝のリズムの作動に重要なタンパク質であるREV-…
May. 11, 2012
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1つの抗体が7種の癌を縮小
タンパク質CD47の抗体が,マウスに移植した7種類のヒトの癌(乳癌,卵巣癌,結腸癌,膀胱癌,脳腫瘍,肝臓癌,前立腺癌)を数週間で大幅に縮小した。CD47は通常,血液中の幹細胞上に発現し,これらをマクロファージから…
Apr. 27, 2012
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一杯のワインで脳卒中が減少
適度に飲酒する女性では脳卒中が起こりにくいことが,8万人以上を対象とした調査結果から明らかになった。調査開始時に心血管疾患や癌に罹っていなかった女性の26年間にわたるデータを分析すると,自己報告でのアルコール摂取…
Apr. 20, 2012
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運動が数分でDNAを変化
運動により筋肉が変化して代謝が亢進することは知られているが,こうした健康によい変化が運動を始めて数分のうちに,DNAレベルで始まっていることが明らかになった。健康だが非活動的な男女に運動をさせて筋肉のDNAを調べ…
Apr. 13, 2012
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薬剤で人種的偏見が軽減?
狭心症や高血圧に使われる薬剤プロプラノロールが,人々が無意識に持っている人種的偏見を顕著に弱めるとの研究結果が発表された。研究では,被験者18人ずつにこの薬剤かプラセボ(偽薬)を投与し,人種的偏見を調べる標準的な…
Apr. 06, 2012
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運動せずに運動不足解消?
筋肉量の減少を,病気が原因の場合だけでなく運動不足による場合も防ぐ方法が,動物実験で示唆された。この実験では,健康なマウスと敗血症または癌のあるマウスを用い,筋肉にあるFOXOと呼ばれる転写因子ファミリーの活性を…
Mar. 30, 2012
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うつは進化に必要だった?
うつ病は多くの現代人を悩ませているが,ヒトの進化過程ではうつ状態に免疫機構を助ける利点があり,このためうつ病の発症が遺伝子に組み込まれてしまったとの仮説が発表された。進化の初期には感染が死亡につながることが多かっ…
Mar. 23, 2012
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マイクロチップで注射いらず
体外からワイヤレスで薬剤の放出を制御できる,体内埋め込み式の薬物送達マイクロチップが開発されている。従来の埋め込み式の薬物送達は薬が徐々に放出される形式だが,このチップでは投与をプログラムしたり,医師がパソコンや…
Mar. 16, 2012
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生後15分でペースメーカー
生後間もない未熟児に,心臓ペースメーカーを埋め込む手術が成功した。この赤ちゃんは,胎児の時に心ブロックという重篤な心臓欠陥が見つかった。この欠陥のある胎児は出生前や生後数週間で亡くなる危険性が高い。そこで,帝王切…
Mar. 09, 2012
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老いても衰えない音楽家の耳
継続的な音楽教育や音楽活動には,老化による聴覚障害を防ぐ効果があるかもしれない。若年齢と高年齢の「音楽家」(9歳未満で音楽教育を受け始め,現在まで音楽活動を続けている人と定義)と音楽家でない人(音楽教育3年以下と…
Mar. 02, 2012
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血圧の左右差が血管病と関連
左右の腕で測定した血圧の差が,血管病の指標となりうることが明らかになった。英国の研究者が28本の関連論文を検討した結果だ。左右の収縮期血圧の差が15 mmHg以上であることが,末梢血管疾患の危険性が高いこと,脳血…
Feb. 24, 2012
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衝撃的な記憶が眠りで増強
神経科学者が行った実験で,衝撃的な体験に対する感情的反応は,体験後に眠らないでいるよりも睡眠をとった方が増強されることが示された。実験では,約100名の被験者にさまざまな画像をコンピュータ画面上で見せ,その後12…
Feb. 17, 2012
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禁煙パッチで記憶力が改善?
禁煙用のニコチンパッチが,軽い認知障害の高齢者で記憶喪失を改善することが明らかになった。その研究では,平均年齢76歳の対象者74名の半数が用量15 mgのニコチンパッチを,残り半数はプラセボを1日1枚,6カ月間使…
Feb. 10, 2012