使えるワンフレーズ Vol.8
画像

とある町のとある中規模病院(サクラ病院)を舞台に,外国人の患者さんとナースとのやりとりを軸に展開していく病院英会話シリーズの病棟編です。前回の外来編同様,「使えるフレーズ」がどんどん出てきますから,毎週少しずつ覚えるようにしてみましょう。そうすれば,いつの間にかあなたも,外国人の患者さんに英語で話しかけることができるようになりますよ。リスニング学習や発音練習にも,ぜひお役立てください。

執筆: 野田小枝子(津田塾大学大学院教授・東京女子医科大学非常勤講師)
協力: 英文校閲 スコット・レイノルズ
  日本語ストーリー  廣岡裕江(大阪大学医学部附属病院臨床検査部 看護師)
     中川明美(大道クリニック透析室 看護師)

◆本シリーズは今回で最終回です。ご愛聴いただき,どうもありがとうございました。
◆書籍はこちら↓ 本シリーズを再構成・加筆し,アップグレードしています。
  『メディエイゴBOOKS ナースのための病院英会話 外国人患者の希望の星になろう!』

※iPhone, iPadでは「Download」をタップすると音声が出ます。

ポッドキャストの登録はコチラ▼
setumei rss

No. 16

speaker
Get the Flash Player to see this player.
download
今週のフレーズ

I’m here to give you a bed bath.
では,体を拭きますよ。

◆ベッド上で清拭を行う

ジャクソンさん(J)の体を拭く準備をして,看護師(N)が戻って来ました。

N:I’m here to give you a bed bath.
では,体を拭きますよ。

J:Thank you.
お願いします。

―蒸しタオルを渡しながら―
N:Please wash your face with this.
顔をこれで拭いてください。

―顔を拭き終わったジャクソンさんに―
N:OK.  Please get undressed.  If you can unbutton your top, I’ll do the rest.  Please relax.
では,服を脱ぎましょう。上着のボタンをはずしてもらえたら,後は私がやります。楽にしていてくださいね。

―ジャクソンさんの皮膚の状態を確認しながら,体を拭いています―
N:Tell me if you feel cold.  Am I pressing too hard?
寒かったら言ってくださいね。力加減は強すぎないですか。

J:No, it’s just right.
いえ,ちょうどいいです。

N:It’s a little red around your hip.  Does it hurt?
腰のあたりが少し赤いですね。痛みはありませんか。

J:Not in particular.
特にありません。

N:If you keep lying in the same position, you might develop bedsores.  I’ll give you a bed bath every day to prevent it.
同じ姿勢で寝ていると床ずれができやすいんですよ。予防のためにこれから毎日体を拭きますね。

J:I appreciate it.
それはありがたいです。

【ワードチェック!】
I’m here to:それでは~しますよ,~しに来ました wash:~を拭く get undressed:服を脱ぐ unbutton:~のボタンをはずす top:上着 rest:後のこと,残っていること hip:腰 not in particular:特にない position:位置 develop bedsores:床ずれができる prevent:~を予防する I appreciate it:それはありがたい

【解 説】
「患者さんに清拭をする」は,give a patient a bed bath となります。「清拭」は bed bath の他に sponge bath とも呼ばれ,イギリスでは blanket bath とも呼ばれます。日本語では「体を拭く」という表現を使いますが,英語では bath なので,使われる動詞は wash です。蒸しタオルで拭くような時も wash を使います。
体を拭くときの強さは hard で表します。強すぎるときは too hard,もっと強くしてほしいときは Please rub harder.,反対に弱くしてほしいときは Please rub not so hard. となります。(rub:こする)
「腰」は,ここでは片側なので複数にせず hip と言っています。腰の少し上は side(わき腹),少し下は bottom(お尻)になります。

バックナンバー
ポッドキャスティング対応
野田小枝子プロフィール

津田塾大学大学院文学研究科 教授(英語教育研究コース)
東京女子医科大学医学部 非常勤講師(英語教室)

津田塾大学およびセント・ローレンス大学を卒業後,1981年,インディアナ大学大学院修士課程卒業。聖路加看護大学などで英語講師を務めた後,2005 年,シカゴ大学大学院より言語学博士号取得。1983年より留学期間を除き、津田塾大学非常勤講師を務める。2005年4月~2010年3月まで東京女子医科大学准教授,2010年4月より現職。

共著書に『学習者中心の英語読解指導』(大修館書店)。また,中学・高校の英語教科書や『小学館プログレッシブ和英中辞典』第3版,『ジュニアエヴリ デイ英和辞典』(中教出版)などで執筆者に名を連ねる。英語教育、言語文化に関する英語論文も多い。

Weekly Topic

ニュースリリースで医学英語を学ぼう!
日本語要約と単語和訳付きです。

★注目トピック

テロメアで余命が分かる?
テロメア(染色体の末端部にあるDNA鎖)の長さにより,平均余命が予測できることが明らかになった。テ…

メディカル英単語

毎回,3つの英単語を楽しく覚えようというムービープログラムです。

★No.64 今週の英単語

流動食|経管栄養|非経口栄養

医学ニュース de 英語

海外学会+E

海外の学会で注目されたトピックを紹介しています。

米国臨床腫瘍学会より

 

スマイリーのバイリンガル
医学ニュース
 

バイリンガル・パーソナリティのスマイリーが,英語と日本語のチャンポンでお届けする楽しいポッドキャスト番組です。

No.9 米国心臓協会年次学術集会より:“老け顔”の人は心疾患にご用心?!