使えるワンフレーズ Vol.8
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とある町のとある中規模病院(サクラ病院)を舞台に,外国人の患者さんとナースとのやりとりを軸に展開していく病院英会話シリーズの病棟編です。前回の外来編同様,「使えるフレーズ」がどんどん出てきますから,毎週少しずつ覚えるようにしてみましょう。そうすれば,いつの間にかあなたも,外国人の患者さんに英語で話しかけることができるようになりますよ。リスニング学習や発音練習にも,ぜひお役立てください。

執筆: 野田小枝子(津田塾大学大学院教授・東京女子医科大学非常勤講師)
協力: 英文校閲 スコット・レイノルズ
  日本語ストーリー  廣岡裕江(大阪大学医学部附属病院臨床検査部 看護師)
     中川明美(大道クリニック透析室 看護師)

◆本シリーズは今回で最終回です。ご愛聴いただき,どうもありがとうございました。
◆書籍はこちら↓ 本シリーズを再構成・加筆し,アップグレードしています。
  『メディエイゴBOOKS ナースのための病院英会話 外国人患者の希望の星になろう!』

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No. 29

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今週のフレーズ

I know you’ll be fine.  You are a big girl.
大丈夫よね。おねえさんだもんね。

◆採血をいやがる患児をあやす

ヘレンちゃんの髄液検査の結果は陰性でした。血液検査で問題がなければ退院の予定です。病室に,採血道具一式を持った看護師(N)と医師(Dr)が入って来ました。※M:母親

N:Helen, you’ll feel a little prick.  I know you’ll be fine.  You are a big girl.
ヘレンちゃん,チックン(※注射針を刺すこと)するよ。大丈夫よね。おねえさんだもんね。

―注射針を見て泣き出したヘレンちゃんに,人形を使って話しかけます―
N:Helen, look!  It’s a teddy bear!
ほら,ヘレンちゃん! クマさんのぬいぐるみよ!

―ヘレンちゃんは泣きやみ,人形に興味津々の様子です―
Dr:Ms. Stacy, would you mind holding Helen still?
お母さん,ヘレンちゃんの体を押さえていてくださいね。

M:OK.
わかりました。

―採血が終わり―
N:Helen, you did a great job.  You are such a big girl!
ヘレンちゃん,がんばったわね。えらいねえ。

M:Helen, it’s done.  It wasn’t so bad, was it?
ヘレン,終わりよ。そんなに痛くなかったでしょ。

【ワードチェック!】
prick:チクッと刺すこと big girl:おねえさん(女の子をもう大人だとほめる言い方。男の子なら big boy) teddy bear:クマのぬいぐるみ would you mind ~ing?:~していただけますか hold ~ still:~を押さえておく do a great job:がんばる,よい仕事をする

【解 説】
You’ll feel a little prick. は大人にも使える表現です(大人の場合の和訳は「少しチクッとしますよ」)。その後の I know you’ll be fine. は相手をほめて励ます表現です。前にも説明しましたが,今がベストではないというニュアンスのある Let’s do our best. は使いません。小さい子どもの場合は big girl や big boy という言葉を使って,You are a big girl. や A big girl like you will be fine. などの表現で励ますのがよいでしょう。
また,日本語ではこういう場面は「お母さん」と呼びかけますが,英語ではMs.(ミズ),Mrs.(ミセス)を付けて姓で呼びます。子供は Helen のように名前(ファーストネーム)で呼びます。

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野田小枝子プロフィール

津田塾大学大学院文学研究科 教授(英語教育研究コース)
東京女子医科大学医学部 非常勤講師(英語教室)

津田塾大学およびセント・ローレンス大学を卒業後,1981年,インディアナ大学大学院修士課程卒業。聖路加看護大学などで英語講師を務めた後,2005 年,シカゴ大学大学院より言語学博士号取得。1983年より留学期間を除き、津田塾大学非常勤講師を務める。2005年4月~2010年3月まで東京女子医科大学准教授,2010年4月より現職。

共著書に『学習者中心の英語読解指導』(大修館書店)。また,中学・高校の英語教科書や『小学館プログレッシブ和英中辞典』第3版,『ジュニアエヴリ デイ英和辞典』(中教出版)などで執筆者に名を連ねる。英語教育、言語文化に関する英語論文も多い。

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