とある町のとある中規模病院(サクラ病院)を舞台に,外国人の患者さんとナースとのやりとりを軸に展開していく病院英会話シリーズの病棟編です。前回の外来編同様,「使えるフレーズ」がどんどん出てきますから,毎週少しずつ覚えるようにしてみましょう。そうすれば,いつの間にかあなたも,外国人の患者さんに英語で話しかけることができるようになりますよ。リスニング学習や発音練習にも,ぜひお役立てください。
執筆: | 野田小枝子(津田塾大学大学院教授・東京女子医科大学非常勤講師) | |
協力: | 英文校閲 スコット・レイノルズ | |
日本語ストーリー | 廣岡裕江(大阪大学医学部附属病院臨床検査部 看護師) | |
中川明美(大道クリニック透析室 看護師) |
◆本シリーズは今回で最終回です。ご愛聴いただき,どうもありがとうございました。
◆書籍はこちら↓ 本シリーズを再構成・加筆し,アップグレードしています。
『メディエイゴBOOKS ナースのための病院英会話 外国人患者の希望の星になろう!』
※iPhone, iPadでは「Download」をタップすると音声が出ます。
Let me take you to the lounge.
談話室にお連れしましょう。
◆見舞客に対応する
パーキンスさん(P)を尋ねて,お見舞いの男性(V)がナースステーションに来ました。※N:看護師
V:Hi. I’m here to visit Mr. Perkins.
こんにちは。パーキンスさんのお見舞いに来たのですが。
N:Hello. Would you mind writing your name here in the notebook?
こんにちは。では,このノート(面会簿)にお名前を書いていただけますか。
V:Sure. Could you tell me where he is?
分かりました。パーキンスさんのお部屋はどちらでしょうか。
N:He’s in Room 302. His bed is on the left by the window.
302号室です。パーキンスさんは左側の窓際になります。
―看護師が302号室の前を通りかかると,大きな笑い声が聞こえてきました―
N:Sounds like you are having fun.
楽しそうですね。
P:He makes me laugh.
彼が笑わせるんですよ。
N:You don’t want to disturb the other people here. Let me take you two to the lounge. Please follow me.
他の患者さんの邪魔にならないように,お二人を談話室にご案内しましょう。こちらにどうぞ。
【ワードチェック!】
I’m here to visit ~:~のお見舞いに来ました Would you mind~:~していただけますか on the left:左側に sounds like:~のようですね have fun:楽しい時間を過ごす disturb:~の邪魔をする lounge:談話室 you two:あなたがたお二人 Please follow me:ついて来てください
【解 説】
You don’t want to disturb the other people here. は,「邪魔にならないように」というような柔らかいニュアンスの表現です。You should not disturb ~(邪魔してはいけません)と言うと叱責する感じになるため,大人に対しては失礼です。
この場面で大切なのは,お見舞いの人が来てうるさくなってしまったときに,丁寧にしかもはっきりと対応をしなければならないということです。「談話室にご案内しましょう」と言うのに,Would you like to use ~?(~をお使いになりませんか)のような表現を使うと,No, we are fine here.(いや,ここで大丈夫です)と言われてしまうかもしれません。Let me take you~(~にお連れしましょう)のように,丁寧ですが有無を言わせない表現がベストです。