

とある町のとある中規模病院(サクラ病院)を舞台に,外国人の患者さんとナースとのやりとりを軸に展開していくストーリーで病院英会話を学びましょう。「使えるフレーズ」がどんどん出てきますから,気に入ったフレーズを毎回1つでも覚えるようにしてみてください。それを積み重ねていくと,いつの間にかあなたも,Please come in! と自信を持って言えるようになりますよ。リスニング学習にもうってつけのプログラムです。
執筆: | 野田小枝子(津田塾大学大学院教授・東京女子医科大学非常勤講師) | |
協力: | 英文校閲 スコット・レイノルズ | |
日本語ストーリー | 廣岡裕江(大阪大学医学部附属病院臨床検査部 看護師) | |
中川明美(大道クリニック透析室 看護師) |
※iPhone, iPadでは「Download」をタップすると音声が出ます。
Do you have any chronic illnesses?
何か持病はありますか。
◆救急外来で(1)―救急車で運び込まれる
朝食の後,庭で草刈りをしているときに突然胸の圧迫感におそわれた男性(ギブソンさん:G)が,救急車でサクラ病院に運ばれて来ました。※N:看護師
―ストレッチャーに乗ったまま救急外来へ―
N:You are at the hospital now. Everything will be fine. Can you tell me your name?
ここは病院ですよ。もう大丈夫です。お名前を言えますか。
G:Urm. Michael, umm, Michael Gibson....
う~。マイケル,マイケル・ギブソン・・・。
N:Do you think you can tell me what happened?
どうされたか,お話しできますか。
G:I suddenly started to have chest pains...
急に胸が苦しくなって・・・。
N:I see. OK. Now we’d like you to lie down on the bed.
わかりました。では,ベッドに移りますよ。
―ギブソンさんが自分で移ろうとすると―
N:Don’t try to move. Just relax and let us move you.
動かないようにしてください。楽にしていてください。私たちがしますから。
―ベッドに移ったところで―
N:Do you have any chronic illnesses, Mr. Gibson?
ギブソンさん,何か持病はありますか。
G:I’m diabetic. I take insulin.
糖尿病で,インスリンを使っています。
N:I see. OK. Now we’ll have to put some monitors on you. We need to take a blood sample, and also we’ll put you on a drip.
わかりました。では,いろいろなモニターを付けますね。採血や点滴もしますよ。
【ワードチェック!】
happen:起こる suddenly:急に chest:胸 lie down:横になる chronic illness:持病
diabetic:糖尿病の insulin:インスリン take a blood sample:採血する put (someone) on a drip:~に点滴をする
【ミニ解説】
「もう大丈夫です」と言いたいときは,Everything will be fine. と言うこともできますし,There’s nothing to worry about. という言い方でもよいと思います。患者さんの現在の状態が大丈夫ではないので,You are all right. は使えません。
「持病」はchronic illnessを使って聞くとよいでしょう。現在胸の圧迫感(という問題)があるわけですからotherを使って,Do you have any other health issues? などと聞くこともできます。