

とある町のとある中規模病院(サクラ病院)を舞台に,外国人の患者さんとナースとのやりとりを軸に展開していくストーリーで病院英会話を学びましょう。「使えるフレーズ」がどんどん出てきますから,気に入ったフレーズを毎回1つでも覚えるようにしてみてください。それを積み重ねていくと,いつの間にかあなたも,Please come in! と自信を持って言えるようになりますよ。リスニング学習にもうってつけのプログラムです。
執筆: | 野田小枝子(津田塾大学大学院教授・東京女子医科大学非常勤講師) | |
協力: | 英文校閲 スコット・レイノルズ | |
日本語ストーリー | 廣岡裕江(大阪大学医学部附属病院臨床検査部 看護師) | |
中川明美(大道クリニック透析室 看護師) |
※iPhone, iPadでは「Download」をタップすると音声が出ます。
If you need any help, just call one of the nurses.
何かあったら,近くの看護師に声をかけてください。
◆処置室で(1)―吸入の介助
ブラウンさん(B)は吸入と点滴の処置を受けるために,待合室で待っています。順番が来たようです。※N:看護師
N:Mr. Thomas Brown, please go to Room 2.
トーマス・ブラウンさん,2番にお入りください。
―処置室で―
N:Sit down here, please. Is this your first time to use a nebulizer?
ここに座ってください。吸入器を使うのは初めてですか?
B:I used one in a hospital back in Australia.
(故郷の)オーストラリアの病院で使ったことがあります。
―吸入器の先をみせながら―
N:I see. As you know, the medicine comes out of here. Put it in your mouth, and breathe slowly. If you have some phlegm, here are tissues and a garbage can.
そうですか。ではご存知だと思いますが,ここから薬が出ます。口にくわえて,ゆっくり呼吸してください。痰が出たときのために,ティッシュとごみ箱はここにあります。
B:All right.
わかりました。
N:If you need any help, just call one of the nurses.
何かあったら,近くの看護師に声をかけてください。
【ワードチェック!】
your first time:初めて(の経験) back in Australia:(故郷の)オーストラリアで come out of:~から出てくる breathe slowly:ゆっくり呼吸する phlegm:痰 tissue:ティッシュ garbage can:ごみ箱
【ミニ解説】
患者さんが以前行った経験はあるけれど説明が必要な場合には,上のようにas you know(ご存じのように)などと言ってから説明をするのがよいでしょう。
phlegm の発音は「フレム」で「レ」にアクセントが来ます。数えられない名詞です。また,ごみ箱はアメリカではgarbage canですが,イギリスやオーストラリアなどではdustbin となります。
「何かありましたら」は,if you need any help がわかりやすい表現だと思います。「近くの看護師」は近くにいるどの看護師でもよいということですからone of the nursesで十分です。