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糖尿病合併多枝冠動脈疾患患者の予後改善効果は冠動脈バイパス術が薬剤溶出ステントより有意に優る（FREEDOM試験）
Main Results of the Future REvascularization Evaluation in Patients with Diabetes Mellitus: Optimal management of Multivessel disease (FREEDOM) Trial
糖尿病合併多枝冠動脈疾患患者を対象とした大規模臨床試験で，冠動脈バイパス術（CABG）は薬剤溶出ステント（DES）を使った経皮的冠動脈インターベンション（PCI）より有意に予後を改善することがわかった。米国マウント・サイナイ病院のValentin Fuster氏が発表した。
解析対象は，十分な薬剤治療を受けている糖尿病合併多枝冠動脈疾患患者1,900人（世界131センター）。これらの患者をCABG群とPCI/DES群に無作為に割り付け，両群の予後改善効果を比較検討した。心停止下で人工心肺を使う伝統的CABGと，心拍動下で行うオフポンプCABGのどちらにするかは，個々の外科医の判断に任された。
その結果，一次複合エンドポイントの総死亡＋非致死的心筋梗塞＋非致死的脳卒中は，5年後，CABG群でPCI/DES群よりも有意に減少した（18.7％ vs. 26.6％）。このうち総死亡と非致死的心筋梗塞はCABG群で有意に減少したが（各々10.9％ vs. 16.3％，6.0％ vs. 13.9％），非致死的脳卒中はCABG群で有意に増加した（5.2％ vs. 2.4％）。二次複合エンドポイントの主要有害心・脳血管イベント（一次複合エンドポイント＋再血行再建術）は，12カ月後，CABG群で有意に減少した（12％ vs. 17％）。
これらの成績からFuster氏は，糖尿病合併多枝冠動脈疾患患者に対する血行再建術にはCABGが好ましい方法だと述べ，“We always want to know how long the effects last. The gap could begin to close or the results could get better and better. So, longer follow-up is critical”と結んだ。（松田隆志・医学ライター）
■試験の概要
対象
糖尿病を合併した多枝*冠動脈疾患患者1,900人
*冠動脈造影にて，2本以上の主要冠動脈に重度の狭窄（≧70％）が確認された場合
※血行再建術の適応は，狭心症の症状および/または客観的な心筋虚血の証拠に基づく
方法
国際共同無作為化比較試験，ITT解析
・冠動脈バイパス術（CABG）群：947人
・薬剤溶出ステント（DES）による経皮的冠動脈インターベンション（PCI）群:953人
追跡期間（中央値）
3.8年
結果
| CABG群 ％ |
PCI/DES群 ％ |
p値 | |
| ＜一次複合エンドポイント＞ 総死亡＋非致死的心筋梗塞＋非致死的脳卒中（5年後*） |
18.7 | 26.6 | 0.005 |
| 総死亡** | 10.9 | 16.3 | 0.049 |
| 心筋梗塞** | 6.0 | 13.9 | ＜0.0001 |
| 脳卒中** | 5.2 | 2.4 | 0.034 |
| ＜二次複合エンドポイント＞ 一次複合エンドポイント＋再血行再建術（1年後***） |
12.0 | 17.0 | 0.004 |
| 再血行再建術**** | 5.0 | 13.0 | ＜0.0001 |
| *CABG群：n=943 PCI/DES群：n=953
**CABG群：n=947 PCI/DES群：n=953 ***CABG群：n=911 PCI/DES群：n=944 ****CABG群：n=911 PCI/DES群：n=911 |
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