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限局期のホジキンリンパ腫では放射線療法を併用するよりも化学療法単独で予後が良好
Final Analysis of a Randomized Comparison of ABVD Chemotherapy with a Strategy That Includes Radiation Therapy in Patients with Limited-Stage Hodgkin's Lymphoma（HD.6試験）
限局期ホジキンリンパ腫に対する治療としては、亜全リンパ節放射線照射やブレオマイシン＋ビンブラスチン＋ダカルバジン（ABVD）療法＋亜全リンパ節放射線照射が行われているが、放射線照射による二次がんや心血管系疾患などの晩期障害が課題となっている。そこで、カナダ・国立がん研究所のRalph M. Meyer氏らは、限局期ホジキンリンパ腫患者を対象にABVD単独療法の効果を検討する無作為化比較試験を実施。放射線照射を併用するのに比べ、ABVD単独で12年後の生存率が良好だったことを報告した。
本試験の対象は、IA～IIA期の限局期ホジキンリンパ腫患者405人で、これらの患者をABVD療法単独群と放射線照射群に無作為に割り付けた。放射線照射群では、高リスクの患者に対してはABVD療法を2サイクル施行した。
一次エンドポイントとした12年時の生存期間は、12年生存率が放射線照射群と比較してABVD療法単独群で有意に良好だった（94％ vs. 87％、p＝0.04）。一方、無増悪生存率は放射線照射群で良好な傾向にあり、無イベント生存率は両群に差を認めなかった。リスク分類別にみると、低リスク例ではいずれのエンドポイントについても両群に差はなかったが、高リスク例ではABVD群で12年生存率が有意に良好だった。
ABVD療法単独群では12例、放射線照射群では24例が死亡し、ABVD療法単独群では原疾患の進行、放射線照射群では二次がんによるものが多かった。
Meyer氏は、限局期ホジキンリンパ腫に対してはABVDのみによる治療が適しているだろうと結論し、“After 12 years of follow-up, we have gained valuable and reliable insights about the long-term value of specific therapeutic interventions to help clinicians make more informed treatment decisions and better manage the possible risks for their patients.”と述べた。（富樫哲也）
■試験の概要
| 対象 | 巨大腫瘤がないIA～IIA期のホジキンリンパ腫患者405人 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 方法 | 国際共同無作為化比較試験 ・ABVD療法単独群：196人 ABVD療法を2サイクル施行後、完全寛解が得られた場合は2サイクル、部分寛解が得られた場合は4サイクル追加 ・放射線照射群：203人 低リスク例 亜全リンパ節放射線照射（35Gyを20日で分割照射） 高リスク例 ABVD療法を2サイクル施行後に亜全リンパ節放射線照射 |
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結果
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