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心房細動患者に対しリバロキサバンはワルファリンと同等の脳卒中予防効果を発揮
Rivaroxaban Once-daily Oral Direct Factor Xa Inhibition Compared with Vitamin K Antagonism for Prevention of Stroke and Embolism Trial in Atrial Fibrillation(ROCKET AF試験)
心房細動患者の脳卒中予防に,新規抗凝固薬のリバロキサバンがワルファリンと同等に有用であることが確認された。ワルファリンは,現在,脳梗塞などの血栓塞栓症の予防に標準的に用いられているが,凝固モニタリングをルーチンに行う必要があるなど,使用法が簡便ではない。そのため,ワルファリンに代わる容易に使用できる薬剤が求められている。今回,デューク大学のKenneth W. Mahaffey氏らが検討した経口直接作用型第Xa因子阻害薬のリバロキサバンは,そのような凝固モニタリングが不要であることから,期待は大きい。
本試験には45カ国1,178カ所の施設が参加した。対象となったのは,脳卒中のリスクが高い非弁膜症性の心房細動患者14,264人。これらの患者をリバロキサバン群とワルファリン群に無作為に割り付け,約700日間追跡した。有効性の一次エンドポイントは,脳卒中と非中枢神経系全身性塞栓症の複合,安全性は大出血もしくは臨床的に重要な非大出血とした。
報告によると,有効性の一次エンドポイント(非劣性試験)では,リバロキサバン群はワルファリン群と同等であることが確認され,安全性でも両群間に差は認められなかった。
今回の結果から,試験の共同統括研究者であるデューク大学Robert M. Califf氏は,“Patients and clinicians have been looking for an alternative for a long time, and the investigation of oral factor Xa inhibitors provided a good opportunity to see if a different class of drugs could be effective”と述べ,本剤が長年の期待に応えうる薬剤であるとの考えを示した。(関 紗由里)
■試験の概要
対象 |
非弁膜症性の心房細動患者14,264人 ・脳卒中/一過性脳虚血発作または全身性塞栓症の既往,または2つ以上の脳卒中リスク因子 |
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方法 |
国際多施設共同・二重盲検無作為化比較試験 ・リバロキサバン群(20mg/日):7,131人 ・ワルファリン群(目標INR2.5):7,133人 |
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追跡期間 | リバロキサバン群:706日(中央値) ワルファリン群:708日(中央値) |
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結果 |
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