Home > 海外学会プラスE|2011 > ACC/i2 Summit 2011 > 内科入院患者に対するリバロキサバンの静脈血栓塞栓症予防効果は低分子ヘパリンと同等以上―ただし出血リスクは増大

ニュース

内科入院患者に対するリバロキサバンの静脈血栓塞栓症予防効果は低分子ヘパリンと同等以上―ただし出血リスクは増大

Rivaroxaban Compared with Enoxaparin for the Prevention of Venous Thromboembolism in Acutely Ill Medical Patients(MAGELLAN試験)

内科入院患者に対するリバロキサバンの静脈血栓塞栓症予防効果は低分子ヘパリンと同等以上―ただし出血リスクは増大

 急性内科疾患による入院患者を対象とした試験で,経口抗凝固薬リバロキサバンの静脈血栓塞栓症への予防効果は低分子ヘパリンと同等かそれ以上であることが分かった。一方で,大出血などの出血リスクは高まった。MAGELLANスタディグループのAlexander T. Cohen氏が報告した。

 対象は,急性内科疾患による入院患者で可動性の低下が認められる8,101人。運動能が落ちているため,静脈血栓塞栓症のリスクが高まると考えられる患者群だ。これらの患者をリバロキサバン群と低分子ヘパリンのエノキサパリン群に無作為に割り付け,投与10日後と35日後に超音波検査を行い,静脈血栓塞栓症の有無を調べた。投与10日後の解析ではエノキサパリンと比較したリバロキサバンの非劣性が,35日後の解析では優越性が検討された。

 その結果,投与10日後の非劣性試験から,静脈血栓塞栓症とその関連死の発生リスクはリバロキサバン群とエノキサパリン群で同等だったことが示された。また,投与35日後の優越性試験からは,リバロキサバン群の発生リスクはエノキサパリン群と比べ23%低下することが明らかになった。一方で,臨床的に重大な出血のリスクは両群ともに低かったものの,リバロキサバン群のほうが有意に高いという結果となった。

 Cohen氏は “MAGELLAN investigated VTE prophylaxis in the largest and most diverse population of hospitalized, acutely ill patients to date, and managing the risk of blood clots in these patients is extremely complex due to their age, co-morbit conditions, and duration of immobilization” と述べ,リバロキサバンによる血栓塞栓症予防治療が有効な患者群を探るために,さらなる検討が必要との見解を示した。(志賀幹太)

■試験の概要

対象   72時間以内に急性内科疾患*で入院した可動性の低下を伴う患者8,101人(40歳以上)
*急性感染症,心不全,急性呼吸不全,急性虚血性脳卒中,活動性癌,他
     
方法   多施設無作為化二重盲検試験
・リバロキサバン群:4,050人
(リバロキサバン10mg/日 35±4日間 経口投与+プラセボ10±4日間 皮下投与)
・エノキサパリン群:4,051人
(エノキサパリン40mg/日 10±4日間 皮下投与+プラセボ35±4日間 経口投与)
※試験薬投与10日後と35日後に超音波検査を行い有効性と安全性を解析。
※90日間追跡
     
結果
有効性の一次エンドポイント*

  一次エンドポイント
発生数 n(%)
p値 相対リスク
(95%信頼区間)

<非劣性試験:10日後>
per protocol解析
     
 リバロキサバン群(n=2,939) 78(2.7) 0.0025 0.968
(0.713~1.334)
 エノキサパリン群(n=2,993) 82(2.7)

<優越性試験:35日後>
modified intention-to-treat解析
     
 リバロキサバン群(n=2,967) 131(4.4) 0.0211 0.771
(0.618~0.962)
 エノキサパリン群(n=3,057) 175(5.7)

安全性の一次エンドポイント**      

<10日後>      
 リバロキサバン群(n=3,997) 111(2.8) <0.0001 2.3
 エノキサパリン群(n=4,001) 49(1.2)

<35日後>      
 リバロキサバン群(n=3,997) 164(4.1) <0.0001 2.5
 エノキサパリン群(n=4,001) 67(1.7)

*有効性の一次エンドポイント(以下4つの複合)
・超音波検査で検出された無症候性の近位部深部静脈血栓症
・症候性の下肢深部静脈血栓症
・症候性の非致死性肺塞栓症
・静脈血栓塞栓症関連死
**安全性の一次エンドポイント(以下2つの複合)
・試験薬最終投与2日後までの大出血
・臨床的に重大な非大出血※
Home > 海外学会プラスE|2011 > ACC/i2 Summit 2011 > 内科入院患者に対するリバロキサバンの静脈血栓塞栓症予防効果は低分子ヘパリンと同等以上―ただし出血リスクは増大
海外学会プラスE
Weekly Topic

ニュースリリースで医学英語を学ぼう!
日本語要約と単語和訳付きです。

★注目トピック

テロメアで余命が分かる?
テロメア(染色体の末端部にあるDNA鎖)の長さにより,平均余命が予測できることが明らかになった。テ…

使えるワンフレーズ

外国人の患者さんとナースとのやりとりを軸に展開するストーリーです。リスニング学習にうってつけです。

★No.30 今週のフレーズ

最初の診察日は来週の水曜日になります。

メディカル英単語

毎回,3つの英単語を楽しく覚えようというムービープログラムです。

★No.64 今週の英単語

流動食|経管栄養|非経口栄養

医学ニュース de 英語

スマイリーのバイリンガル
医学ニュース
 

バイリンガル・パーソナリティのスマイリーが,英語と日本語のチャンポンでお届けする楽しいポッドキャスト番組です。

No.9 米国心臓協会年次学術集会より:“老け顔”の人は心疾患にご用心?!