気楽に1分~脳に染み込む医学論文・頻出単語!

2013年5月まで配信していたメールマガジン『気楽に1分~脳に染み込む医学論文・頻出単語!』の全バックナンバーを公開します。

主要医学ジャーナル4誌(N Engl J Med,JAMA,BMJ,Lancet)に掲載された100論文の全単語から,英文の“核”とも言える動詞だけを集めて使用頻度を解析。このうちランキング上位の動詞を,ランダムに取り上げています。

バイリンガルの富田氏が語る「単語の持っているイメージ,ネイティブが感じるニュアンス」は,まさに“目からウロコ”の感涙もの!
1つの動詞を3つの違った角度から学習できるので,その使い方が徐々に脳に染み込みます。

月~金曜にわたり,毎日1単語ずつ,全100単語分のバックナンバーを順次公開していきます。お楽しみに!!

No. 4

relate

意味:関連がある, 関連づける

単語のイメージ:2つの間に因果関係がある

論文での使われ方をチェック!▼

例文

(1)Blood pressure elevation during sleep may be related to sudden infant death syndrome (SIDS).
(2)Catheter-related bloodstream infections are a common and costly complication.

単語チェック

  • Blood pressure 血圧
  • elevation 上昇
  • sudden infant death syndrome (SIDS) 乳幼児突然死症候群
  • Catheter-related bloodstream infections カテーテル関連血流感染(血管内留置カテーテルに由来する感染のこと。病院感染症のひとつ)
  • common よく見られる,よく起こる(→発生しやすい)
  • costly 費用のかかる(→医療費のかかる)
  • complication 合併症

対訳

(1)睡眠時の血圧上昇は乳幼児突然死症候群と関係している可能性がある。
(2)カテーテル関連血流感染は,発生しやすく,かつ医療費のかかる合併症である。

ミニ解説

be related to は,be associated with と同様「~と関連(関係)している」と訳すことができます。両者の違いは,be associated with は「2つの間に因果関係はないかもしれないが関連性はある」ことがイメージされるのに対し,be related to は「2つの間に因果関係がある」ことがイメージされる点です。論文では,例文(2)の catheter-related bloodstream infections のように,名詞と related をハイフンで結んだ形もよく出てきます。基本的に「~に関連した」,あるいは前の名詞とあわせて「~関連」と訳しますが,lifestyle-related disease 「生活習慣病」のように「関連」が抜けて定訳になっているものもあります。

英作文に挑戦!▼

問題

(1)我々はこれらの事象を特定の原因と関連づけることができなかった。
(2)肥満は生活習慣病の主要な原因である。

ヒント

※(1)は「relate A to B」のAを「事象」,Bを「原因」と考えると?
※「ことはできなかった」は be unable to を使って。

  • 事象 event
  • 特定の particular
  • 原因 cause
  • 肥満 obesity
  • 生活習慣病 lifestyle-related disease
  • 主要な primary

解答例

(1)We were unable to relate these events to any particular cause.
(2)Obesity is a primary cause of lifestyle-related diseases.

ミニ解説

relateは,ある事象(疾患)と原因を関連づける場合に使われますが,前後の文脈によっては全く違う意味で使われることもあるので注意が必要です。

《例文》
The actress is distantly related to me.
(その女優は私の遠い親戚である)

In taking the patient's history, she related her long and ongoing use of illicit drugs.
[患者に既往歴を聞くと,麻薬(非合法薬物)を現在まで長年にわたり使っていると語った]

2つ目の例文の related は「語った」という意味で使われています。said 同様,誰かの話を引用するときに用いられますが,said と比べ,より時間をかけて詳しく語った雰囲気が出る単語です。

会話での使われ方をチェック!▼

例文

(Q)What would explain the increase in the size of the lesion?
(A)This particular effect is likely related to the patient's multiple sclerosis.

単語チェック

  • lesion 病変
  • likely 可能性のある
  • multiple sclerosis 多発性硬化症

対訳

(Q)その病変の拡大は何が原因なのでしょうか。
(A)この拡大に関しては,(患者の)多発性硬化症と関係している可能性があります。

ミニ解説

What would explain ~ は,explain 以下のことが何が原因で起こったと考えられるのか聞きたい(説明してほしい)ときに使える表現法です。
the increase in the size は「サイズの増加」→「拡大」と意訳できます。
回答文にある effect は「ある原因によって起きた変化」「原因に対する結果」という意味を持つ単語で,そこから「影響」「効果」といったよく使われる和訳が出てきます。ここでの effect は「病変の拡大という変化」を意味しています。particular が前にあることで,「特に(この) effect は」と限定されたイメージが出てくるので,This particular effect は,「この拡大に関しては」と意訳できるわけです。(編集部・Rick McGuire)

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