とある町のとある中規模病院(サクラ病院)を舞台に,外国人の患者さんとナースとのやりとりを軸に展開していく病院英会話シリーズの病棟編です。前回の外来編同様,「使えるフレーズ」がどんどん出てきますから,毎週少しずつ覚えるようにしてみましょう。そうすれば,いつの間にかあなたも,外国人の患者さんに英語で話しかけることができるようになりますよ。リスニング学習や発音練習にも,ぜひお役立てください。
執筆: | 野田小枝子(津田塾大学大学院教授・東京女子医科大学非常勤講師) | |
協力: | 英文校閲 スコット・レイノルズ | |
日本語ストーリー | 廣岡裕江(大阪大学医学部附属病院臨床検査部 看護師) | |
中川明美(大道クリニック透析室 看護師) |
◆本シリーズは今回で最終回です。ご愛聴いただき,どうもありがとうございました。
◆書籍はこちら↓ 本シリーズを再構成・加筆し,アップグレードしています。
『メディエイゴBOOKS ナースのための病院英会話 外国人患者の希望の星になろう!』
※iPhone, iPadでは「Download」をタップすると音声が出ます。
Is something the matter?
どうしましたか。
◆気分転換に患者を散歩へ誘う
リハビリを終えたモーガンさん(M)が,うかない顔をして看護師(N)の迎えを待っています。
N:Sorry to have kept you waiting. Let’s go back to your room.
お待たせしました。お部屋に戻りましょう。
M:All right....
はい・・・。
N:Is something the matter? Do you feel tired?
どうしましたか。疲れましたか。
M:I don’t think the rehabilitation is working. I wonder if I can ever go back to the States.
リハビリをやってもよくなっているように思えないし・・・。一体いつになったらアメリカに帰れるんだろう。
N:Please be patient. You are doing a much better job than before.
焦らないでくださいね。前よりもずっとうまくできるようになっていますよ。
M:I hope I can go home soon.
早く家に帰りたいなあ。
N:Why don’t we go take a walk outside for a change?
気分転換に,外に散歩に行きましょうか。
M:I’d love to. I haven’t done that for a long time.
行きます。外に出るのは久しぶりです。
【ワードチェック!】
keep…waiting:~を待たせる Is something the matter?:どうしましたか work:効果がある I wonder if:~だろうか ever:一体,そもそも(強意) the States:アメリカ Please be patient:焦らないで(我慢して)ください do a job:目的,役目を果たす go take a walk:散歩に行く for a change:気分転換に I would love to:ぜひしたい
【解 説】
「どうしましたか」を表す英語の表現はいくつかありますが,この場面のように,患者さんが浮かない顔をしていて,きっと何か事情があると思うときには,something を使って Is something the matter? と聞くのがよいでしょう。Is something bothering you?(何か気になることがあるのですか)も使えます。通常,疑問文では anything を使うところですが,あえて something を使うと「はい」という答えを期待している感じになります。
「~しませんか」と相手を誘うときは,Why don’t we ~? を使います。
最後の I haven’t done that for a long time. は,「長いことそんなことはしていませんでした」を「外に出るのは久しぶりです」と意訳しています。