ニュース
健常人を対象とした試験で， 栄養ドリンクが血圧や心拍数を上昇させることを確認
Unfavorable effect for cardiovascular system caused by "Energy Drink"
最近，米国では若者を中心に"Energy Drink"（栄養ドリンク）の人気が高まっており，頻繁に飲まれるようになっている。わが国でも多忙なサラリーマンや受験生の必需品というイメージが定着しているが、米国同様、そのほとんどが眠気防止や疲労回復が目的だ。栄養ドリンクの効用は，含有成分のカフェインやタウリンに負うところが大きいが，一方でこれらの化合物は心機能や血行動態に直接影響を及ぼすことが知られている。そこでウェイン州立大学のJames S. Kalus氏らは，栄養ドリンクを飲むことで，心血管系に医学的に問題となるような変化が生じないかどうか検証した。
研究に参加したのは健康な成人15人。全員に2本の栄養ドリンク（カフェイン80mg，タウリン1,000mg含有）を7日間，毎日欠かさず飲んでもらった。試験初日と最終日には，栄養ドリンク摂取前後に血圧と心拍数，心電図の検査を実施した。その結果，1日目と7日目ともに，栄養ドリンク摂取後に収縮期血圧と心拍数は有意に上昇。双方とも摂取から4時間後に最大値を記録し，収縮期血圧は約10mmHg，心拍数は5～7回/分の上昇がみられた。一方，心電図に有意な変化は認められなかった。
Kalus氏は，栄養ドリンクがもたらしたこれらの変化は健常人であれば問題ないレベルだとしながらも，“The increases in heart rate and blood pressure weren’t enough for something to happen acutely, but a person on hypertension medication or who has cardiovascular disease may not respond as well”と述べ，心血管系に病気のある人には異なる影響が出る可能性を指摘。さらに，"Until further study, people with high blood pressure or heart disease should avoid energy drinks because they could affect their blood pressure and may even alter the effectiveness of their medications"と，注意を呼び掛けた。
■試験の概要
| ＜対象＞ | 成人健常者 15名（男性7名，女性8名，平均年齢25.9歳，平均体重69.8kg） | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| ＜方法＞ | 試験開始前の48時間はカフェインを一切摂取しないウォッシュアウト期間とした。
|
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| ＜結果＞ ・初日
・7日目
*t検定 |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
