

とある町のとある中規模病院(サクラ病院)を舞台に,外国人の患者さんとナースとのやりとりを軸に展開していく病院英会話シリーズの病棟編です。前回の外来編同様,「使えるフレーズ」がどんどん出てきますから,毎週少しずつ覚えるようにしてみましょう。そうすれば,いつの間にかあなたも,外国人の患者さんに英語で話しかけることができるようになりますよ。リスニング学習や発音練習にも,ぜひお役立てください。
執筆: | 野田小枝子(津田塾大学大学院教授・東京女子医科大学非常勤講師) | |
協力: | 英文校閲 スコット・レイノルズ | |
日本語ストーリー | 廣岡裕江(大阪大学医学部附属病院臨床検査部 看護師) | |
中川明美(大道クリニック透析室 看護師) |
◆本シリーズは今回で最終回です。ご愛聴いただき,どうもありがとうございました。
◆書籍はこちら↓ 本シリーズを再構成・加筆し,アップグレードしています。
『メディエイゴBOOKS ナースのための病院英会話 外国人患者の希望の星になろう!』
※iPhone, iPadでは「Download」をタップすると音声が出ます。
Would you like to go nurse your baby?
赤ちゃんにおっぱいをあげに行きましょう。
◆出産後の容体を確認し,授乳の指導をする
出産を終えたフォスターさん(F)は,病室に移動しました。赤ちゃんは新生児室で過ごしています。※N:看護師
N:How are you doing, Ms. Foster? Is there still a little bleeding?
フォスターさん,調子はいかがですか。出血はまだありますか。
F:It’s getting less and less.
だんだん少なくなっています。
N:Do you still have pain in your lower belly?
下腹部の痛みはまだありますか。
F:I can put up with it.
我慢できる程度です。
N:Would you like to go nurse your baby?
では,赤ちゃんにおっぱいをあげに行きましょう。
―授乳室に移動したフォスターさんに赤ちゃんを抱かせて―
N:Please wipe your nipple with the cotton. Put it in the baby’s mouth.
乳首をコットンで拭いてください。赤ちゃんに乳首を含ませましょう。
F:Like this?
こうですか。
N:Right. You can nurse five to six minutes from each nipple.
いいですよ。左右のおっぱいを5,6分ずつ吸わせてください。
F:OK.
はい。
N:When he’s done, hold him up like this and burp him.
終わったら,赤ちゃんをこうして縦に抱っこして,げっぷをさせてくださいね。
【ワードチェック!】
bleeding:出血 get less:少なくなる lower belly:下腹部 put up with~:~を我慢する go nurse:~に授乳しに行く(※nurse:授乳する) wipe:~を拭く nipple:乳首 cotton:コットン hold~up:(赤ん坊などを)縦に抱く burp:~にげっぷをさせる
【解 説】
nurse という英語は,もともと「~に授乳する」「(子どもを)育てる」の意味で使われていました。18世紀になると,「(患者の)看護をする」という意味でも用いられるようになります。英語の nurse(看護師)は,このような人間の生命の存続に深く関わる意味から派生した職業名と言えます。
burp は「げっぷをする(自動詞)」の意味で使われることが多いですが,目的語が赤ちゃんの場合には「~にげっぷをさせる(他動詞)」の意味で使うことができます。