とある町のとある中規模病院(サクラ病院)を舞台に,外国人の患者さんとナースとのやりとりを軸に展開していく病院英会話シリーズの病棟編です。前回の外来編同様,「使えるフレーズ」がどんどん出てきますから,毎週少しずつ覚えるようにしてみましょう。そうすれば,いつの間にかあなたも,外国人の患者さんに英語で話しかけることができるようになりますよ。リスニング学習や発音練習にも,ぜひお役立てください。
執筆: | 野田小枝子(津田塾大学大学院教授・東京女子医科大学非常勤講師) | |
協力: | 英文校閲 スコット・レイノルズ | |
日本語ストーリー | 廣岡裕江(大阪大学医学部附属病院臨床検査部 看護師) | |
中川明美(大道クリニック透析室 看護師) |
◆本シリーズは今回で最終回です。ご愛聴いただき,どうもありがとうございました。
◆書籍はこちら↓ 本シリーズを再構成・加筆し,アップグレードしています。
『メディエイゴBOOKS ナースのための病院英会話 外国人患者の希望の星になろう!』
※iPhone, iPadでは「Download」をタップすると音声が出ます。
Congratulations! It’s a boy!
おめでとうございます。元気な男の子です。
◆分娩室に移動し,分娩の介助をする
子宮口が全開大になったので,フォスターさん(F)は分娩室に移動しました。※N:看護師 Dr:医師
―分娩台を指しながら―
N:Please lie down here. I’ll hook you up to a monitor to see how the baby is doing.
ここに横になってください。赤ちゃんの状態を見るモニターを付けますよ。
F:Is my baby all right?
赤ちゃんは元気でしょうか。
N:This is the baby’s heartbeat. It sounds fine.
これが赤ちゃんの心音ですよ。元気そうですね。
―破水があり,いよいよ分娩が始まるようです―
N:Don’t strain yet. Breathe in and breathe out, just like that.
まだいきまないでくださいね。息を吸って,吐いて,そう,その調子です。
―無事,赤ちゃんが産まれました―
N:Congratulations! It’s a boy!
おめでとうございます。元気な男の子です。
F:Thank goodness.
ああ,よかった。
Dr:We are almost done. Please be patient just a little longer until everything is finished.
少し待ってくださいね。処置が終わるまで,もうちょっとだけがんばってください。
【ワードチェック!】
hook~up to...:...に~をつなぐ monitor:モニター heartbeat:心音 strain:いきむ breathe in:息を吸う breathe out:息を吐く Congratulations:おめでとうございます Thank goodness:ああ,よかった almost done:もう少し patient:我慢して
【解 説】
「赤ちゃんの状態を見る」は,see the condition of the baby などの表現より see how the baby is doing のように how の節を使うほうが柔らかくて自然です。
「おめでとうございます。元気な男の子ですよ」というのが日本語では自然な表現ですが,英語では Congratulations! It’s a boy! というほうが自然です。It’s a fine boy! では直訳調になってしまいます。
Thank goodness. は安堵したとき,驚いたときなどに使えます。
「子供を生む」は,give birth (to a baby),have a baby を使います。