

とある町のとある中規模病院(サクラ病院)を舞台に,外国人の患者さんとナースとのやりとりを軸に展開していく病院英会話シリーズの病棟編です。前回の外来編同様,「使えるフレーズ」がどんどん出てきますから,毎週少しずつ覚えるようにしてみましょう。そうすれば,いつの間にかあなたも,外国人の患者さんに英語で話しかけることができるようになりますよ。リスニング学習や発音練習にも,ぜひお役立てください。
執筆: | 野田小枝子(津田塾大学大学院教授・東京女子医科大学非常勤講師) | |
協力: | 英文校閲 スコット・レイノルズ | |
日本語ストーリー | 廣岡裕江(大阪大学医学部附属病院臨床検査部 看護師) | |
中川明美(大道クリニック透析室 看護師) |
◆本シリーズは今回で最終回です。ご愛聴いただき,どうもありがとうございました。
◆書籍はこちら↓ 本シリーズを再構成・加筆し,アップグレードしています。
『メディエイゴBOOKS ナースのための病院英会話 外国人患者の希望の星になろう!』
※iPhone, iPadでは「Download」をタップすると音声が出ます。
Let me adjust the height of the table.
テーブルの高さを調整しましょう。
◆うまく食べられない患者を援助する
食事の時間です。ジャクソンさん(J)は仰向けなので,うまく食事ができません。そこに,看護師(N)が様子を見に来ました。
N:How is it going, Mr. Jackson?
ジャクソンさん,どんな具合ですか。
J:I’m not doing a good job. I keep spilling.
うまくいきません。いつもこぼしてしまいます。
N:May I help you?
お手伝いしましょうか。
J:No, thank you. I’d like to do it myself.
いえ結構です。自分で食べたいんです。
N:Let me adjust the height of the table to make it easier. Should I ask them to make it into a rice ball?
では,食べやすいようにテーブルの高さを調整しましょう。ご飯はおにぎりにして来ましょうか。
J:Please do that. Thank you.
そうしてください。助かります。
【ワードチェック!】
How is it going?:どんな具合ですか do a good job:うまくやる,成し遂げる keep:いつも~である,~の状態を保つ spill:~をこぼす do it oneself:自分でする(ここでは「自分で食べる」) adjust:~を調整する height:高さ make~into...:~を...にする rice ball:おにぎり
【解 説】
この看護師さんは患者さんが自分でしたいという気持ちを尊重して,自力でやりやすいようにする配慮をしていますが,これはとても大切なことですね。「~しましょう」と申し出るときは Let me ~,「~しましょうか」と提案するときは Should I ~? と覚えておけば間違いありません。
Should I ask them to make it into a rice ball?(直訳は,それをおにぎりにするよう彼らに頼みましょうか)は,実際におにぎりを作るのは調理担当者など看護師以外の人なので,them(特に限定しない人を指す)が使われています。